■男性型脱毛症の治療

男性型脱毛症は「病気」というよりは、生理的なもの、つまり人体の自然現象ですので、やむをえないものですが、若い人では悩むことだと思います。美容の分野で様々な研究が進み、いわゆる育毛剤が数多く開発され、市販されています。最近のものはある程度の効果が期待できるようになっていますが、数年間も毛が伸び続けるほどの効果があるものは、今のところありません。比較的効果の良い外用育毛剤は、毛乳頭細胞を刺激して毛母細胞の増殖を促す成長因子を出させる作用があることが分かっています。また、内服育毛剤として、II型5α-リダクターゼの作用を抑えて、毛根のミニチュア化を防ぐ作用のあるものが開発されました(下図)。この内服薬は医師の処方箋で購入するもので、内服するかどうか、効果があるかどうかなど、皮膚科専門医に相談することが大切です。
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男性型脱毛症のメカニズム
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植毛も一手段ですが、側頭部などの自分の毛を毛根ごと移植するのは有効です。自分の組織ですので問題なく生着して、元の部分の毛の性質を保ったまま、生え変わりもします。しかし、ナイロンなどの人工毛を頭皮に植え付けるようなことは厳禁です。異物反応を多かれ少なかれ起こして、化膿したり脱落しますし、安全とはいえません。残っているやや太い毛に人工毛を巻きつけて、みかけ上、多くみせる方法もありますが、その毛が毛周期で脱落すれば人工毛も脱落しますので、お金をかけたわりには長持ちしません。かつらも一手段です。皮膚に貼り付けるタイプのものはじきに剥がれますので、年中貼り替えが必要です。

(日本皮膚科学会HPより)

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